マツダは本当に欧州で人気があるのか?

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マツダは欧州で売れている風潮があります。
それは本当なのか、調べてみましょう。

2016/7/19 加筆しました。

2016年版はこちら。

2016年のマツダ決算を見てみよう! 今年は値引きを大きく行うか?

企業がどこに注力しているのか調べるには、IRと呼ばれる情報を読む必要があります。
IRとは、インベスター・リレーションズと呼ばれ企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する情報です。
今回読むのはアニュアルレポートと呼ばれる、業績動向に関する情報です。
こちらのアニュアルレポートは読んでみるとその企業の短期、中期、長期的な目標や
地域、商品毎の売上高、利益率なんかも載っていたりします。
他にもIRには財務報告書や有価証券報告書なんかも載っていますが、今回は省きます。
それではさっそく見てみましょう。
マツダの場合には、こちらから見ることができます。
この中のアニュアルレポートを選び、2015年を選択
※pdfファイル形式です。結構重いです。

以下、必要なデータは都度画像で掲載します。
開いてみると、最初は表紙や社長の挨拶等。
今回は関係ないので全部すっ飛ばしちゃいましょう。
5ページ目以降からは、今回の決算分析や短期、中期、長期的な視点で
自社を分析した内容となります。

2015年5月より
新世代商品の第6弾となる新型「マツダ ロードスター
(海外名:MX-5)」を日本からグローバルに導入を開
始しました。また、2016年3月期中に新型「マツダ
CX-9」を導入します。

現在はまだ表立って報道されておりませんが
アニュアルレポートにはこういった導入予定の内容なんかもかかれていることが多いので
気になるメーカーがある人なんかは目を通すと面白いと思います。

ちなみにこのCX-9は2016/7/19時点でラインナップされていませんが。

あくまでも予定でしかないので、恐らく日本にCX-9をラインナップさせるメリットがないと判断したのでしょう。

もしくは遅れが生じているのでしょうか。
15Pからは、日本市場、北米市場、欧州市場、中国市場、その他の市場に分かれて
レビューしております。
まずは日本市場から見てみましょう。

日本市場のレビュー

2015年度の販売台数は2014年に比べ若干ですが下がっていますね。
日本市場におけるシェア占有率は4.2%となっております。
消費税の増税と駆け込み需要はそれだけ大きいということなのでしょう。
結構日本で走っているように見えますが……案外走ってないもんなんですね。
2015年度における、日本での販売台数は225,000台であることがわかります。

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マツダは、お客さまの人生をより豊かにし、お客さ
まとの間に特別な絆を持ち、選ばれ続けるオンリーワンブランド
を目指します。

ナンバーワンを目指さず、あくまでも熱心なファンとのオンリーワンを目指している所が
面白いですね。

 また、国内での新世代クリーンディーゼルエンジン「SKYACTIV-D」 搭載車の累計販売台数が、2012年2月の「CX-5」導入以降2年 7ヵ月で、10万台を突破しました。当期のクリーンディーゼル市 場に占めるマツダのシェアは70%に達しており、引き続き国内 ディーゼル乗用車市場を牽引しています。

国内におけるディーゼル乗用車市場を専有しています。

うまくやっていますね。

次期の総需要は2年連続で減少する見通しです。マツダの販売
台数は、前期比7%増の24万台を計画しています。販売好調な新
型「デミオ」、新型「CX-3」が通年で寄与するほか、2015年5月に
販売を開始した新型「マツダ ロードスター」などの新商品の投入
により台数成長を図ります。

シェア拡大はCX-3とデミオに託していますね。日本の道路状況を鑑みると
この辺りの車種が最も捌けそうといえば捌けそうです。
……アクセラがこの中に入っていないっていうことは……?

北米市場のレビュー

北米と銘打っていますので、カナダとアメリカとメキシコの合算となります。
とはいえ、実質的にアメリカの販売台数がメインですね。
北米市場全体は2012年以降右肩上がりで販売台数が伸びていることがわかります。
販売台数は北米全体で425,000台。マーケットシェアは1.8%です。
マーケットシェアが1.8%で425,000台を捌けるという北米市場の広さに驚き。

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北米市場におけるマツダの販売台数は、前期比9%増の42万
5千台となりました。このうち、米国での販売台数は同8%増の
30万6千台となり、正価販売方針を継続しながら、過去20年で
最高の販売実績を達成しました。

値下げをせずに過去最高の販売台数を達成。すごいです。

 北米市場の小売販売に占める「CX-5」、「Mazda6」、「Mazda3」
の構成比が88%まで上昇し、また3車種合計での小売販売が同
10%増となり、引き続きSKYACTIV搭載車が販売を牽引していま
す。

値引きをしないだけでなく、マツダの車種において高額なクルマばかりが売れています。
車種ごとの利幅は分かりませんが、日本市場は小型のOEM製品やデミオもあるので……。
マツダとしての優先度は、北米市場>日本市場であるかもしれませんね。
もちろん、販売台数だけで図れるものではありませんが。

 北米市場における次期の総需要は、堅調な経済を背景に安定
的に高水準を維持すると予想しており、マツダの販売台数は前期
比6%増の44万9千台を計画しています。このうち、米国では同
5%増の32万台を見込んでいます。引き続き「CX-5」、「Mazda6」、
「Mazda3」の主要商品を中心に正価販売を維持しながら前期比
増を達成し、「MX-5」や「CX-3」などの新型車でさらなる販売拡
大を図ります。

果たしてコンパクトクロスオーバーSUVであるCX-3はアメリカ市場で
人気が出るのかわかりませんが……。
この中に越と思われる文章が入っていないところを見ると
今年中の市販化はなさそうですね。

欧州市場のレビュー

やって来ました欧州市場。P17です。
マツダは欧州市場を意識したCM、サイズ、クルマづくりを少なからずしていると感じるところがあります。
それは欧州市場で花開いているのか、見てみましょう。
2015年度の販売台数は229,000台。シェアは1.3%です。

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日本市場よりは若干高いですが……北米よりも小さい。
しかも欧州市場ですが、ロシアも含まれているようです。その数46,000台。
ロシアは……欧州?
まあおいといて、アニュアルレポートを見る限りでは、欧州で最も売っている国は
ドイツということとなります。次に英国、そしてロシア。
但し、ドイツでの伸び率は8%、英国での伸び率は16%、ロシアでの伸び率は5%と、どれもかなり高い水準で伸びております。
また、アクセラ、CX-5が主に売れている車種のようです。
とくに英国における、アクセラは前年比40%増加。すげえ!
また、ディーラーを2016年3月までに全部レクサs……新しいディーラーのデザインに変えるようです。
あのレクサs……じゃなくて、黒と白を基調としたあのディーラーですね。
更に、あのディーラーは2016年3月までにディーラー全体の80%を目指すとのことで
日本よりも急ピッチに行っております。

このうち、ドイツおよび英
国では、総需要がほぼ横ばいの中、それぞれ同5% 増の5万4千
台、同25% 増の5万台の販売を見込んでいます。

なかなか強気の見込みです。

中国市場のレビュー

割とあっさりしており、半ページです。
販売台数は215,000台。マーケットシェアは0.9%です。0.9%!?
215,000台も売ってるのに!?

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中国はアクセラセダンのようなCセグメントセダンが人気のようです。
そこの市場を確実に売りつつ、マツダデザインとブランドを広げようという戦略であるようです。
国自体が非常に広いので、ディーラーの整備も難しいでしょうね……。
ちなみに、中国限定で3代分のアクセラ、アテンザがラインナップにあったりします。笑

情報量やページ数を加味すると、中国市場にフォーカスする雰囲気はなさそうです。

それよりもディーゼル大国であるヨーロッパに注力しているみたいですね。

その他市場のレビュー

こちらもあっさり、半ページ。
まあ、その他の市場というぐらいなので様々な国が含まれるので
かなり大雑把にかかれております。
セグメント別に言うと、オーストラリアが101,000台
何気にマーケットシェアは9%と、マーケットシェアだけで考えればマツダの中で最もマーケットシェアを確保しており
オーストラリア内でのシェア率第3位です。
ASEAN市場は、タイが34,000台、ベトナムが12,000台、マレーシアが12,000台です。

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なかなかタイが頑張っていますね。
タイはデミオがよく売れるそうで、タイに工場ができるほど。
ASEAN市場は結構重視しているのかもしれませんね。

日本にはありませんが、デミオのセダンなんかもラインナップされています。
その他の市場は合計303,000台です。

2015年度における、マツダの販売実績の総括

マツダにおける販売台数のポートフォリオは以下のとおりとなります。
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販売台数だけで見ると、北米で最も多く売上げ、欧州、日本、中国はほぼ横並びですね。
また、北米は利幅が高い(と思われる)アテンザ、CX-5を値引きなしで売っているそうなので
マツダにとって、北米市場は最も大事な市場であると考えられます。

この傾向が続くようであれば、北米向けの車のラインナップを増やす可能性もありますね。
欧州、日本、中国市場はどれも甲乙つけがたいですが
その中でもディーゼルとの親和性や、高い伸び率である欧州市場を重視しているように見えます。
国毎のセグメント別販売台数はこちらです。
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アメリカ、日本、中国で半数以上さばいていることがわかりますね。
国ごとで見るとそこそこバラけており、なかなかバランスの良いポートフォリオじゃないかなあと思います。

逆に言えば、一つの国にリソースを注力し一気に販売台数を増やしにくい、という面もあります。
このアメリカ市場、マツダの利益を押し上げていることは間違いないでしょうね。
やっぱりアメリカってすげえや!
結論として
地域別で考えると欧州市場は日本市場、中国市場並に販売台数を捌いているが
国別で考えるとアメリカ、日本、中国が主である。
特にアメリカ市場は値引きをしないので、利益率が良い市場である。

ということとなります。
……そういえば、スバルはアメリカで飛ぶように売れているという話を聞きますね。
次はそれが本当かどうか、調べてみよう、そうしよう。